Go!Go! Malaysia Report 2008/3

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2008年3月 GO!GO!MALAYSIA REPORT by Kaneko Page2




 ジャングルツーリングへGO! 



3/22 DAY-4/ジャングルツーリング1日目 140㎞
 GO!GO!MALAYSIAのツアーの中での「メインイベント」のジャングルツーリングに出発です。 たぶん(間違いない)僕はマレーのジャングルを一番走ってる日本人ですが、毎回このマレーシアのオフロードを「マレーのライダーと走る」のは楽しみでもあります。昨年は走る機会はなかったので、余計にワク・ワクしてます。朝サイフーの店に着き、並んでるオフロードバイクを見て、夏のような日差しを受けて気分も盛り上がるんです。
 オフロードバイクで「走る」という、乗る楽しさをテクニカルな面で捉えると、日本とも大きく変わりないでしょう。それは、多少の表情が違う路面であったり、道のレイアウトが違ったりする事だけで、オフロードバイクに乗り、オフロード走行でする事は同じです。
でも、植物相や、自然によって創られている赤道直下の森の風景に目を向けたり、通りすぎるカンポンの様子だったり、時折現れるいろいろな 動物であったり。そんな「マレーシア」を現地のライダーと一緒に走ることは「感じる」何かが大きく日本と違うのです。ワクワクする高揚感とも違い、「幸福な感じ」と言うか、魂と肉体がピュアになる感じがするのです。それが、嬉しくて「仕事」にメイクして毎年来れるように画策したのが、僕のGO!GO!MALAYSIAでもあるのです。


 サイフーのショップで身支度、レンタルのウエアで市川さんと棚さんも決まり、さあ行くぜ~と最初はパンダンまではパーム椰子内の林道と造成 地を抜け、舗装路も走り「ツーリング」です。
パンダン滝はぜひ、クアンタンに来たら行って、泳いで欲しい所です。マレーシアに来ると地球を身近に感じるのですが、この滝もそん なポイントです。
 日本人御一行は、飛び込みをしたり泳いだり・・滝に打たれたり・・・元体操選手の小久保君は後方宙返り半ひねり飛び込みなどを見せて地 元の子供達に大きな拍手を貰っていました。
 次にパンチン(地名:クアンタンとソンガイレンビンの中間地点)に、パンダンからパーム椰子の中の林道を10数㎞程繋ぐと、突然視野に 神々しい岩山が目に入ります。山の中腹にパンチンケイブがあり、そこの奥にタイ式の寝大仏があるのです。日本人と子供達で登ってきました。僕は駐車場の木の下で昼寝が好きです。 洞窟まで何度も上がったし、とてもハードワークなので・・・風水的にかなりのパワーポイントなのでしょう。気持ちがすっきりします。
 ここに来るまでの道で、2Mくらいのコブラが道を横切ってました。 もちろん!道を外れダートに出て尻尾側を迂回しました。 ここから、パーム椰子のプランテーションを抜けて、オフロードらしくなって行きます。
★動画:パンダン滝
★Google マップ:パンチンケイブを空から観てみる

上)パンダン滝  下)パンチンケイブ
 ジャングル内に入る前に、クアンタンで有名な滝と、鍾乳洞に寄ると言う事で、そこまではパーム畑のイージーなダートを通り10時頃滝に到着。
 この時で既に汗だくだったので、日本人は服を着たまま滝に入りクールダウン!滝から飛び込んでいたマレー人に飛び込めと言われ、まず佐藤さんが飛び込み、俺も後から続き飛び込んだりして遊んでいた。小久保さんに関しては、宙返りしたり、バック転して飛び込んだりしていたので、周りの観光客やキャンプしているマレー人などから拍手が上がり、ヒーローになっていた。金子さんは、僕達の遊んでいる姿を撮影後、滝の下で滝に打たれていたが、その姿はまるで原住民の様でした。(金子さんすみません・・)

 この休息中、金子さんにダートでのカーブを曲がる際の対処方を聞き、鍾乳洞に行くまでのダートで行なってみると凄く安定して曲がれる様になり、先行組みについて行ける様になった!(金子さんありがとうございます。)
 鍾乳洞の前に着いた後、サイフーさんの子供2人と小久保さん、棚さん、俺とで鍾乳洞までのキツイ階段を使いスリーピングブッタを見てかなりの体力を使い果たす。
(市川)

 
 パンチンを抜けると山も深くなって来ます。パーム椰子の中の林道も終わり、昔大きな木を切り出した伐採道や荒野の中のトレールなどが続きます。 そこには林業従事者の仮の住みかかオランアスリの集落しかなくなります。
★動画:ジャングルに向かうオフロード(片手運転でブレてますが)

 途中つり橋があり対岸に渡る(高さ20Mくらい)のですが、数台で 渡っていると大きな横揺れ。走ってられずに止まったら、支えられず細いワイヤーにバイクごと寄りかかるようになり、車高の高いKTMだったので、上半身が柵から乗りだして、落ちるかと思いました。高い所が苦手なので非常に怖かったです。「1台ずつ渡ろうよ~~ 」
 全体的には幅の広いトレールや作業車の入っていた道なので割りと、ハイスピードで走ります。もちろん、林道のような「道」ですが、日本の整備されているものとは違うし、雨などで崩れている場所などあります。途中で川を渡ったりや道に被さる木などを迂回したりするポイントもあるし、路面も砂利、岩盤状、赤・黒・白・灰色、砂といろいろ変化に富んでいます。時々、雨が降ってきますが少しの時間で、すぐに上がり綺麗な虹が出たりします。雨が降ると、埃も立たず森の香りも濃密になります。

★MAP:前半はこのクアクアンタン~ソンガイレンビンのC4の上側、トレガンヌ州との州境の近くまで走ります


パンチン・ケイブ~ソンガイ・レンビンまで


 10メートルおきにあるゾウの糞に、トラの足跡、前をもの凄い勢いで横切る猪、ゾウに関しては繁殖期で危ないから、特に気を付けろとの事。ルートは木を切り出した時の道で、大木や溝の深い川が有るのは当たり前でバイクを皆で担ぎ上げたりして進んで行く。
途中の川渡りで、小久保さんのトライ時に土手を登った後、バイクが急にグリップして 佐藤さんに突っ込み、佐藤さんが1メートル以上吹っ飛んだ事件が起きた!!
ただ事ではなかったが、金子さんは指を指して「飛んだーーーー」って笑っているのを見て俺も思わず一緒に笑ってしまった・・・(佐藤さんすみません)

 吹っ飛んで川に落ちたにも関わらず、余裕な顔で「大丈夫だよ、暑かったから水に入りたかったんだよ~」と熊みたいな人だし、最高な人達だ!
(市川)


 山から抜け出て、フラットな高速ダートに入ると、オランアスリの人たちがバイクで2人乗り、3人乗りで山を降りて行くのに会いました。もうすぐ町場だね、という感じですが、でも20km以上あるんです。造成中のダムを過ぎると、フラットな砂利道になり、ちゃんとした家のアスリの集落に出ます。前後が離れたので棚さんと小久保君を案内して山を降ります。クアンタン~ソンガイレンビン線のいつもの食堂に行ったら、誰も居ないのです。バイクで屯ってる少年達に尋ねると、マレー語で「あっちにスクランブラーは行った」「レンビン?の方」と聞くと「ヤー」であったので、ソンガイレビンに向かいます。

 ソンガイレンビンのガソリン給油所に先行した市川さんとヤスが無事着いていて、子供達含めマレー人も半数着?半数?・・聞くと後方でガス欠らしいので助けに行ってるとの事。日本人のバイクを満タンにして、ジュースなど飲んで休憩し、町並みとヤク中?で町を大声を上げて徘徊している(でも、僕達には英語で話し掛けて来る!)怪しい中国人を観察などしていると、全員到着。

 サイフーがちゃんとした食事をしにレストランに行くか?と聞いてきたのですが、日本人は結構疲れていて食欲は無いので、村の売店で飲み物やパンで いいよ、と言う事になり、さらに30分程休憩をしました。僕はアイスクリームと100プラス(飲み物)しか摂っていませんでした。時刻午後3時を廻ったところです。ガンバンのシャレーまで50kmはあって山越えだから、暗くなるな~と思っていました、サイフーも少し遅いのでゆっくりしてはいられない、という雰囲気はありましたが、しばらくぶりのロングダートで、疲労もありマレーの仲間になんにしてもフォロー ユゥまたはアップ トゥ ユーな僕と日本人達です。



★MAP:後半は、ソンガイレンビンからガンバンまでの山越えです

大きな地図で見る


  給油機が一つだけのガソリンスタンド

  日曜朝なら、朝市で賑うソンガイレンビンの通り

 ソンガイレンビンの休憩&給油が済み、宿泊地のガンバンに向けて出発です。今日は大きなトラブルも無く(KTMがヒートすると止まって10分位掛らないの除けば、珍しくパンクや破損もなく)来ました。転倒者なども無くいい感じです。
 ただ、気になるのは・・・いつもより3時間程遅いことです。しかし、ちょっと暗くなっても20:30頃には着くだろうと思ってました。 ジャングルを抜ければゴムのプランテーションの林道で、マレー人は月明かりで十分走れるし、宿にはミット(サイフーの義兄弟)も来て冷えた飲み物が待っているのです。
 しかし・・・・過去のGO!GO!MALAYSIAで一番長いジャングルとの格闘レコードを作るとは、この時は思っていませんでした。


    若トラの足跡発見!
   ハリマオ=マレー語でトラ


 ソンガイレンビンから約10㎞はパーム椰子の中の道や林道のハイスピードコースです。スコール気味の雨も体を冷やすのにはちょうど良く、路面も 程よく締まっています。パーム椰子のプランテーションが終わり、山越ルートに入るとかなり狭いトレールになります。まず、行く手を塞がれた場所にでました。溝があり、橋は無く手前、溝の先ともに木が倒れています。邪魔な木を切り、整理してジャンプで越えます。ちょっと向こう側が荒れていて、棚さんと市川さんが転倒で打撲をしたようで、ここで小休止です。雨が残り「熱帯雨林」な感じ?がムンムンです。
★動画:遮る木を切りジャンプで越します


 山に入って行くと、1メート半程の川がありジャンプして超えたのだがゴーグルが曇って いて、その先の道を把握していなかった為、転倒してしまいバイクのチェーンが切れて俺は左肩を強打し腕が上がらなくなってしまった・・・また、着地の時に溝にハマリ無理がかかったチェーンが切れてしまったのでもう駄目だと思ったが、サイフーさん、ランさんは淡々と修理をしている、そして10分弱で直してしまった、凄い人達だ!!
 この時点で俺は相当体力に限界を感じ、ブーツが小さかった為、親指の爪部が内出血し爪がグラグラして歩くと激痛が走る状態。
しかし棚さんもこの時点でアバラ骨にヒビが入っており、この時点で5時頃で、後1時間もすれば今日泊まるホテルに到着するだろうと大半の人は思っていたと思うが、全然甘い考えだった。
 ここから更にちょーーーーーーーーーーー過酷な旅となっていく。これから先は、急な上り坂があり地面がぬかるんでいるからとサイフーさんから説明があり少し進むと直ぐにその場所に到着した。50メートル程の足場の悪い上り坂で、人間も手を着いて歩かないと上れない程の最悪の場所。20メートル程までは全員上ったが、その辺でみんなストップ・・・・一台ずつみんなで押したり、フロントフォークにロープをつけてみんなで引っ張ったりしたが俺の足先は激痛が走り、全然力が入らない。しかしマレー人全員は元気で殆んど休まずバイクを引き上げていく。5台程引き上げた頃だろうか、さすがのマレー人達も相当疲れていてピリピリムードが漂ってきた・・・バイクを引き上げる際に子供達も親に怒鳴られたりしているが文句一つ言わずに親の言う通りに行動しているし、負傷者も全員頑張っている。そーゆー姿を見ていると少しだが、パワーが回復してくる。2時間半程かかり、ようやくすべてのマシンを引き上げる事が出来た。

 現時点で7時30分頃で、最大の山場を越えたと思っていた、しかしその小高いジャングルから見える景色はジャングルしか見えない、あたりは薄暗くなり後はイージーなダートを通れば町に到着すると思っていた。ライトが点灯するバイクは5台程で、他のバイクはライトが点灯しない・・・・ 早く進もうと、棚さんと俺は坂を上り小高い山の頂上までまだ明るいうちに上りきる事が出来て待機。もうバテバテで話すのもやっとな俺は地面に座り込み、他のみんなを待っていると子供達がライトのつかないレーサーのバイクで到着して、誰かのバイクトラブルで直しているとの事。(この子供達は本当に凄い!!)あたりはもう真っ暗、棚さんもアバラ骨にクラックが入っていて体力的にも限界に見えた、今日はここで泊まるしかないですよね?と本気で会話を交わしていた。

 1時間程待ってようやく少しずつ上がってきて、みんなの体力も限界に近いから一台のバイクは諦めてジャングルに放置して行くとの事。(DT200WR) 全員集まった所で出発し少し進むとまた急な上り坂、全員ポカーーんと坂を見つめている、上り坂に川がS字に出来ていて突っ込めば転倒間違いない。しかしマレーシアのオフロード界では有名なランさんは全員のバイクを一発で上りきらせた!(一台上げたら下ってを何回も繰り返し、凄い体力の持ち主だ)
(市川)


 その後ヒルクライムが現れます、山越えなので、当然上りと下りがあるわけです。あ~そういえば!!クアンタンに着いた時に、 「ラッキーだな、今まで1週間雨が多かった」と言っていたのを思い出したのでした。水を含んだ山は・・・赤土ツルツルかぁ・・・両側シダ(ゼンマイのお化けような)のトレールで「登らん!」ので総がかりで11台を上げます。もうアイスバーンのようなツルツルなんです。 乾いていれば、問題なく上がれる場所です。
 さて、最初の11台押し(引き)あげが終わり、先に進みます。マレーシアの日没は19:30です。2個目の押しの坂を上る頃には、空が青から蒼に、そして紫がかって来ました。しかし、僕達のGO!GO!MALAYISA史上最長となるジャングルとの闘いは夜に入っても続くのであった・・・
★動画:ツル・ツルのヒルクライムを引き上げます

   レインフォレスト的オフロードメニュ~↓
レベル
 トレッキング的テクニックがあればクリア出来る。
 ビギナーも補助して貰えばクリヤ可能。

★★
レベル
 周辺の環境を整えれば(踏み切り場所の整理や邪魔な木を
 切ったり、岩をどける)バイクを進めることができる。
 また、1名が押し、1名がFホィールを引けばクリヤ出来る程度
 の谷間など

★★★
レベル
 1~2名では進めることが困難な場面(急坂、谷渡し、路面崩落
 水深1M以上の川渡り等
) 


 レイフォレスト的オフロードレベル★★や★★★が4~5kmおきに現れます。川も何本も渡ります。最初にロープを使い引き上げた所から2つ目の尾根を越したあたりで日没です。しかも、雨が降って来ました。標高が高いので雨雲が近いのでしょう。僕は眼鏡のレンズに泥水が付いて、路面が見えません。はまったバイクを引き出して押したり(これは見えなくても出来ます)して、たぶんここがピークという場所に着いたのが、もう21:00を廻っていました。
 ヤスが沢渡りで転倒して、膝を痛めました。足つきの良いセローに変更です。後続を待つ間さすがに疲れて皆無言・・・・サイフーが来てDT200のエンジンが掛らないので置いて来たとのこと。なには、ともあれ!とにかく前進!
 マレー人に「楽しいかい?」と聞かれて・・・「すごく、特別な経験だから楽しいよ!」と答える・・・けど、そう言えるのはホントは「後日」での話しで、今は正直早くこのジャングルから抜け出たい!と思っていました。

 ライトが点燈するバイクに日本人を優先的に乗せて進みます。深い溝が縦に走るヒルクライムが竹やぶの中を抜けるとありました。そこまでも登りが多く、バイクの勢いを止めるとスタックするような路面でした。しかし、ここを越すのにトライを続けるのは時間を喰うだけ、と考えたサイフーとランは数台のバイクのライトで斜面を照らすようにセットし、ランがすべてのバイクを上げることにしました。ラインが出来ているので(草を刈りました)スムーズに終了。恥ずかしいのですが、僕もレンズがキズだらけで(砂混じりのドロ水を拭ったので)見えないからと頼んでしましました。
 
 その後もライトなしでの走行です。竹が茂った中を行くので、暗くメガネの具合が悪く全然前も見ません。溝にはまったり(下りなので出せましたが)「こんな感じ?」という勘を頼りに下っていきます。100Mほどの開けた平らな部分で数台が止まっているました、実はその手前に小さな川が溝を作っていて、見えなかった僕は突込み転倒、背中から川の溝に嵌って(背中が流れている水に漬かったままで)起き上がず、助けて貰うまで そのままでした。黒い森の間から、ボヤケた眼鏡のレンズの向こうに月が上がっているのが見えました。
 
 そこでミィーテングを行い、数台が故障&ライトなしであるので、放置してタンデムで降りることになりました。ライト付のXLRになりました!僕が市川さんを、ヤスにセローで(足が痛いのでしょうが)棚さんを頼み、小久保君はサイフーとタンデムでとなって、子供達のMX80の進路をライトで照らして進むのです。
 
 道が、バイクの幅からバイク2台分くらいに広がって、総体的に下りになって来て、あ~今日中に宿に着くな・・・という思いで、ひたすら泥でキズだらけの眼鏡を通して路面を見詰めて、気合?気力?での走行です。。。ところどころ、ヤバそうな場所や川を渡るときは市川さんに降りて貰って。
 
 しかし・・・深い溝が・・迂回不可能な川が現れて、どうする?と思うまもなくランが木と竹を切り倒し、マレー人は橋を掛けました。そこを、全員で協力してバイクを渡します、そう、それはツーリングというよりバイク版「キャメルトロフィー」のようでもあり、「サバイバルレイド」でもありました。疲れ切った肉体とは裏腹に、メンバーとの一体感とある種の高揚感がありました。

 たぶん、20数㎞で宿泊のシャレーというところで、今回のツーリングはGO!GO!MALAYSIAはジャングル滞在最長記録を更新しました。参加者の日本人は「これ、今まででどの位のハードさですか?」聞いてきます。それは、これより過酷なことは無いだろうと思ってのことでしょう。「しかし!」過去の7台水没、川を担いで渡ってという2000年の3月がハードさでは一番だったと思います。「ハードさでは2番目?」と答えておりましたが、ここでその時の帰着23:00の記録を塗り替えることになりました。2日に渡る走行になってしまった訳ですから。周囲数10㎞に野生動物以外いないジャングルに深夜まだ居るとは日本の家族は思いもよらないことでしょう。

 僕の乗ってるXLR250RがエアーBOXまでの水深の川渡り後不調に。水没させたらリカバーするのに、また数十分&体力を消費するので、止めないようシート下まである深みは入った時に、廻しながら上がって来たらエンジンの吹けが「バツ・ボツ」と言うようになって、スムーズに走りません。フロート室に水が入ったか?キャブのエア吸気系に砂でも入ったか?という感じです。幸いスロー系は利くのでダマシだまし走りますが、ギクシャクして後席の市川さんは辛そうです。
 道は何とか4X4ならば走れるような広さになって来ましたが、路面が良く見えず、ぬかるみでフラれたり、小さな丸太に乗り上げたり、としながらも人間の小走り程度のスピードからバイクが「走る」というスピードになって来ました。この頃はメンバーも宿に着けることを確信したでしょう。


 いく度かの、川渡りがありバイクのけたたましい爆音を奏でながら一人ずつクリアーしていくが、道幅も広がって四駆なら走れそうな道で、もうバイクを押したりしなくてもクリアー出来る。

 途中他のメンバーとはぐれてしまい、分岐点で金子さんと後組みを待っていた、バイクのエンジンを止めてライトのみ を点灯させて待機。俺はタバコを吸いながらジャングルの獣を警戒しながら待っていた、金子さんは先行組みがどっちに行ったかタイヤ痕を調べていたのだが、耳を澄ましていると草を掻き分け木をバキバキ割りながら何かが向かって来る!! 慌ててタバコを投げ捨て「金子さーーーん、何か来ます!!」と呼び、 金子さんも音に気づき、掛かりの悪いバイクを金子さんは一発で始動させ来た道を戻り、後組みと合流した。あの時の金子さんと、俺の行動の早さは今思い出すと笑えます。

 後組みと合流して、金子さんはライトの点灯しないバイクをプロの腕でサポートして進んでいき、前を見ると車のライトが見えた!!この瞬間、「やったーーーーーー」と思い、それと同時に生きて帰って来れたんだと本気で思った!
 そしてホテルに到着したのはやはり2時少し前だった。やっとみんなに本当の笑みがこぼれ、みんなでジャングルでの心境を語る。全員着替える体力も無かったので、パンツ一丁になりジャングルの泥パックを軽く洗いながすと、みんな顔がテカテカしている! 何かをやり遂げた後の顔だった!
  (市川)

 


 僕達のバイクが先行して、1台になってしまった時がありました。道は分岐しています。さて。。。バイクを止めて後続が来るまで休憩です。市川さんはタバコを吸ってます。月明かりで結構明るく周囲の草むらなどはハッキリ見えます。

 そのとき、「金子さん何か来ます!!」 げっそり との声。分岐の藪から小枝を踏み折りながら道の方に降りてくるガサ・ガサした音。即エンジン始動!と同時に市川さんが飛び乗って、元来た道を戻りました。正直とても怖かったです・・・なんだった?!だろう?猪?得体の知れない「もの」が迫ってくる恐怖です。降りてくる後続と合流した時の安堵感はホント嬉しいものでした。

 その後、山の作業場が現れ人間の存在が身近になり、道の周囲も開けてきました。そして、車のライトの光が!一昨日、タマンネガラの帰りに通った高速道路です!高速の下をくぐり、ゴムのプランテーションを抜けると国道に出ました。思わずグーで腕を上に突き上げたら、前を走るランも同じことをしていたようです。

 宿になるAGRO RESORT SG. SEMUJIに着いたのは午前1時を廻っていました。サイフー/ランの義兄弟のミットが待っていました。自分の子供も走ってるので心配していたと思います。また、食堂にはちゃんと夕食が残っていました。皆、疲れきってるはずで、また、負傷した人は痛いはずですが、笑顔で握手を交わしています。ラン、サイフー、マレーのメンバーに心からお礼を言うのです。

 そして、長い1日が終わった!!みんな、MXウエア脱ぎ捨ててパンツ姿で、遅い夕食にありつきました。甘いスイカジュースが美味しかった~
(クアンタン市郊外ガンバン/アルゴリゾート泊)


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