1998年3月 宮崎光博さん
地獄の2日目?
今日からいよいよ、熱帯雨林のジャングルである。バイク屋に行くとセローは一昔前のキック仕様ながら、新品のエンヂューロタイヤに交換されていて一安心。レーサーに乗ることになった2人は町を抜けるまでトランポで移動。林道入り口で地元モトクロスクラブのメンバーと合流。白バイ隊の幹部も居る地元上流 階級の面々である。
エア圧を調整して早速アタックルートに突入。しばらく走ると橋の壊れた小川に遭遇。この川からバイクを押し上げた時点でもうヘロヘロ状態。頭上からは 強い日差しで立っているだけで呼吸が苦しくなる暑さ。両側は木が密集していて休める木陰もない。最後の人が渡り切るまで、わずかな木陰に体を突っ込みぶっ倒れていた。続いて3段ヒルクライム。雨季の後で幾筋ものクレバスが走っており、そのわずかな間をぬって登るルートだ。迂回ルートはないので度胸でチャレンジあるのみ。慎重にルートを選んだつもりが、道脇の草に隠れたクレバスにつかまって登り口わずかであえなく転倒。再スタート出来ず、助けが入る。歩いて登るのも、この暑さはさらに地獄である。次の2段ヒルクライムはやや勾配が緩く、何とか自力で走行した後、倒木のある藪漕ぎルートに入る。
熱帯地獄の中では、倒木越えやツタに捕まりちょっとバイクを押すだけで体力が奪われエンスト後はわずか1回のキックをする気力も無くなってきた。藪漕ぎルートを抜けると再び小川で道が遮られた所で先行グループに追いつく。
日本のツーリングでは、うまい人は先について一服。下手な人は遅れて到着。休むまもなく疲れた体で再スタートと言う「人生の縮図」を見るようなパターンだが、ここでは先発組もヘロヘロになって待っていた。
向こう岸は先の2台が土をかっぽじった後はレーサーでも後ろから人が押さないと登れそうにない急勾配である。私は暑さで戦意喪失し、ギブアップ。後ろからも「HELP ME]と言う声が聞こえてくる。暑さでぶっ倒れそうになり、全員「ブーツ」と「ウェア」を着たまま川に飛び込み体を「クールダウン」(出 発前、「スコールもあるからゴアテックスのジャケットを持参したほうが良いでしょうか?それとも暑くて走れんのでしょうか?」と聞いた私はあほでした!)
やっと一息ついて再スタート。野生の象のウンコの落ちている道が続く。2リットル位の水はすぐに飲んでしまうからキャメルバックは必携といわれていた が、出発前に500ccボトル1本しか持参しなかった私は熱射病寸前。金子氏の予備ボトルを1本譲ってもらい少ない水を節約しながら走行。(サポートカーがミネラルウォーターを積んで走ると言うので大丈夫だと思っいたが、とても4WDの入れる道ではなく先のポイントで待ってるとの事だった)またしばらく走る。同行の地元ライダーからストップと言われる。この先は象の通り道になっているから危険だとの事。
結局この先の道が落ちてしまっており、先に進めずUターンすることとなった。サソリやコブラもめったに居る物でもないだろう。と、蚊を追い払う元気もな く待つ時間は疲労でわずかな木陰を求めて倒れ込む。後でキングコブラを見たと言うのがジョークでなかったと聞いてビックリ。ルートをショートカットして元の道に引き返す。時々一人になり枝道のある所で後続バイクを待つ。トラはバイクの音で逃げていくと言うが、かかりの悪いエンジンと残り少ない水で、ミスコースしていないかと不安がよぎる。後続の2人は転倒したのかなかなか追いついてこない。
村についてからの昼食は5時になった。とはいっても暑さと疲労で、食事は殆ど喉を通らずジュース類をがぶ飲みするのみだった。 川渡りの3日目
今日はプランテーションの中を抜ける道幅もあるイージーなコース。所々アップダウンはあるが対向車のベンツトレーラーに注意さえすればスピードを乗せて 走れる。鉱山に立ち寄った後少しばかり藪漕ぎルートを走り村で昼食。今日も暑さでかき氷しか喉を通らず。再び林道を走った後川に出る。100メートル位の 川渡りである。流速を読み誤り、失速して転倒。膝くらいの深さだったのですぐに引き起こした。エアクリーナーが上側だったためなんとかエンジンが掛かり水没を免れた。1台は水没してしまい水抜きが必要となった。 赤土フラットダートの4日目
タマンヌガラ国立公園へ向かう。給油に立ち寄った村で子供のリクエストに応え金子氏が豪快にウィリーを決め駆け抜けていく。ダート部分はリバークルーズ の発着場まで片道60キロの往復。道幅は5〜6メートルもあるフラットダート。対向車もあるからスピードは100キロに押さえたほうが良いといわれたもの の私の腕とくたびれたセローではダートで100キロ出すのが限界である。
昼食後リバークルーズを楽しんだ後XRのエンジンを積んだXLRに乗り換えて帰路につく。帰りは雨になり路面コンディションが一変した。行きは前回で走 れた道も赤土のカーブで、アクセルを開けたとたんスリップしてバイクが横を向いてしまい、何とか転倒を免れたもののその後ズルズル滑る赤土に出会うたび に緊張する。途中で原住民の村へ立ち寄る。雨でヌタヌタの恐怖のヒルダウン。!帰れなくなるとためらったが、行ける所まで行きましょう!と言う声に励まされトライしたものの本当に帰れなくなってしまった。帰りのヒルクライムで3回転倒してギブアップ。(パリダカライダーの前田氏も2回失敗したのを見て少し安心)再び帰路につきそのうち夕闇が近づいてきた。提灯のようなヘッドライトと曇ったゴーグルではギャップが良く見分けられず次第にペースダウン。
前ブレーキホースの壊れたジェベル200の笠井さんと派手な転倒をしたオフ歴1年の若原さんは戦意喪失して、サポートカーに同乗。舗装路が近くなった 所でとっぷりと日は暮れ、雨で濡れ冷え切った体で、またレーサーに乗った2人は他のバイクの明かりを頼りに走る。小2時間でジュラントゥに到着、ホテルでしみじみシャワーを浴びる。
明日はKLに移動で明後日の帰国、私にはちょっとタフだった3日間は無事終わった・・・
今日からいよいよ、熱帯雨林のジャングルである。バイク屋に行くとセローは一昔前のキック仕様ながら、新品のエンヂューロタイヤに交換されていて一安心。レーサーに乗ることになった2人は町を抜けるまでトランポで移動。林道入り口で地元モトクロスクラブのメンバーと合流。白バイ隊の幹部も居る地元上流 階級の面々である。
エア圧を調整して早速アタックルートに突入。しばらく走ると橋の壊れた小川に遭遇。この川からバイクを押し上げた時点でもうヘロヘロ状態。頭上からは 強い日差しで立っているだけで呼吸が苦しくなる暑さ。両側は木が密集していて休める木陰もない。最後の人が渡り切るまで、わずかな木陰に体を突っ込みぶっ倒れていた。続いて3段ヒルクライム。雨季の後で幾筋ものクレバスが走っており、そのわずかな間をぬって登るルートだ。迂回ルートはないので度胸でチャレンジあるのみ。慎重にルートを選んだつもりが、道脇の草に隠れたクレバスにつかまって登り口わずかであえなく転倒。再スタート出来ず、助けが入る。歩いて登るのも、この暑さはさらに地獄である。次の2段ヒルクライムはやや勾配が緩く、何とか自力で走行した後、倒木のある藪漕ぎルートに入る。
熱帯地獄の中では、倒木越えやツタに捕まりちょっとバイクを押すだけで体力が奪われエンスト後はわずか1回のキックをする気力も無くなってきた。藪漕ぎルートを抜けると再び小川で道が遮られた所で先行グループに追いつく。
日本のツーリングでは、うまい人は先について一服。下手な人は遅れて到着。休むまもなく疲れた体で再スタートと言う「人生の縮図」を見るようなパターンだが、ここでは先発組もヘロヘロになって待っていた。
向こう岸は先の2台が土をかっぽじった後はレーサーでも後ろから人が押さないと登れそうにない急勾配である。私は暑さで戦意喪失し、ギブアップ。後ろからも「HELP ME]と言う声が聞こえてくる。暑さでぶっ倒れそうになり、全員「ブーツ」と「ウェア」を着たまま川に飛び込み体を「クールダウン」(出 発前、「スコールもあるからゴアテックスのジャケットを持参したほうが良いでしょうか?それとも暑くて走れんのでしょうか?」と聞いた私はあほでした!)
やっと一息ついて再スタート。野生の象のウンコの落ちている道が続く。2リットル位の水はすぐに飲んでしまうからキャメルバックは必携といわれていた が、出発前に500ccボトル1本しか持参しなかった私は熱射病寸前。金子氏の予備ボトルを1本譲ってもらい少ない水を節約しながら走行。(サポートカーがミネラルウォーターを積んで走ると言うので大丈夫だと思っいたが、とても4WDの入れる道ではなく先のポイントで待ってるとの事だった)またしばらく走る。同行の地元ライダーからストップと言われる。この先は象の通り道になっているから危険だとの事。
結局この先の道が落ちてしまっており、先に進めずUターンすることとなった。サソリやコブラもめったに居る物でもないだろう。と、蚊を追い払う元気もな く待つ時間は疲労でわずかな木陰を求めて倒れ込む。後でキングコブラを見たと言うのがジョークでなかったと聞いてビックリ。ルートをショートカットして元の道に引き返す。時々一人になり枝道のある所で後続バイクを待つ。トラはバイクの音で逃げていくと言うが、かかりの悪いエンジンと残り少ない水で、ミスコースしていないかと不安がよぎる。後続の2人は転倒したのかなかなか追いついてこない。
村についてからの昼食は5時になった。とはいっても暑さと疲労で、食事は殆ど喉を通らずジュース類をがぶ飲みするのみだった。 川渡りの3日目
今日はプランテーションの中を抜ける道幅もあるイージーなコース。所々アップダウンはあるが対向車のベンツトレーラーに注意さえすればスピードを乗せて 走れる。鉱山に立ち寄った後少しばかり藪漕ぎルートを走り村で昼食。今日も暑さでかき氷しか喉を通らず。再び林道を走った後川に出る。100メートル位の 川渡りである。流速を読み誤り、失速して転倒。膝くらいの深さだったのですぐに引き起こした。エアクリーナーが上側だったためなんとかエンジンが掛かり水没を免れた。1台は水没してしまい水抜きが必要となった。 赤土フラットダートの4日目
タマンヌガラ国立公園へ向かう。給油に立ち寄った村で子供のリクエストに応え金子氏が豪快にウィリーを決め駆け抜けていく。ダート部分はリバークルーズ の発着場まで片道60キロの往復。道幅は5〜6メートルもあるフラットダート。対向車もあるからスピードは100キロに押さえたほうが良いといわれたもの の私の腕とくたびれたセローではダートで100キロ出すのが限界である。
昼食後リバークルーズを楽しんだ後XRのエンジンを積んだXLRに乗り換えて帰路につく。帰りは雨になり路面コンディションが一変した。行きは前回で走 れた道も赤土のカーブで、アクセルを開けたとたんスリップしてバイクが横を向いてしまい、何とか転倒を免れたもののその後ズルズル滑る赤土に出会うたび に緊張する。途中で原住民の村へ立ち寄る。雨でヌタヌタの恐怖のヒルダウン。!帰れなくなるとためらったが、行ける所まで行きましょう!と言う声に励まされトライしたものの本当に帰れなくなってしまった。帰りのヒルクライムで3回転倒してギブアップ。(パリダカライダーの前田氏も2回失敗したのを見て少し安心)再び帰路につきそのうち夕闇が近づいてきた。提灯のようなヘッドライトと曇ったゴーグルではギャップが良く見分けられず次第にペースダウン。
前ブレーキホースの壊れたジェベル200の笠井さんと派手な転倒をしたオフ歴1年の若原さんは戦意喪失して、サポートカーに同乗。舗装路が近くなった 所でとっぷりと日は暮れ、雨で濡れ冷え切った体で、またレーサーに乗った2人は他のバイクの明かりを頼りに走る。小2時間でジュラントゥに到着、ホテルでしみじみシャワーを浴びる。
明日はKLに移動で明後日の帰国、私にはちょっとタフだった3日間は無事終わった・・・